文庫の講演会でわたしが学んだこと

2009 年 7 月 12 日
11月16日に広瀬恒子さんをお招きして、「子供はいつでも楽しいことが好き」という題でお話をして頂きました。広瀬さんは、親子読書地域文庫全国連絡の代表、そしてなかよし文庫の主宰など、長年子どもたちと本に関わってきた方です。広瀬さんはこの子どものそのには今回で三回目の来園になります。
初めに、「2000年は子ども読書年」ということが、国で採択された背景についてお話されました。これは今までの日本の歴史の中で初めての画期的なことだったそうです。子どもの本の出版業界の危機的な状況や子どもたちの読書離れ、子どもたちの荒れ、キレなど、様々の理由からその解決策の一つに、こどもと読書を結び付けていくという試みから、この企画が打ち出されたそうです。
子育ての中で絵本の果たす役割
次に絵本を紹介しながら、子どもと絵本についてお話されました。
小子化時代の子育ての難しさの中で、「ぎょうれつぎょうれつ」という絵本に登場するお母さんのように子どもを「待つ」ゆとり、一息いれる「間」の大切さにふれて、子育てのヒントを与えてくださいました。
また、キャベツについてきた青虫をちょうちょうに育てた親子のエピソードを通して、「はらぺこあおむし」の絵本の生きた読み方を話して下さいました。また、絵本を通して、具体的に子どもの育ちに絵本が関わる大切さを紹介されました。例えば、「おおきるなるっていうことは」の本の中から、子ども自身が大きくなるということはどういうことなのか、小さい子にはどうすればよいのかなどを知ることができるし、「そのつもり」ではそのつもりになれる想像力、言葉を幼年期に楽しいお話や読書によって沢山身につけ豊かにしていくことが大切だとお話されました。そして、どの子どもも「やねうら」つまり空想やファンタジーの世界を持っていて、それを大事に育てていくために絵本との出会いがあると話されました。
絵本との出会いを大切に
その本の出会いを作るためには、身近に本があること、しかし、それだけでは駄目で「読んであげる事が大切」であるということです。昆虫の本で有名なファーブルが一冊の本に出会った事例をあげられました。ストーブに薪が沢山入っていても、それに火をつける口火がなければ燃えない。その口火に火をつけることが、本との出会いであり本の魅力を声に乗せる人の存在なのです。
今の子どもたちには楽しいことがたくさんあり、身近で手軽に楽しめるテレビ文化があり、それはエネルギーを使わなくても楽しめる文化になってきています。一方本を読むということは、絵と文を通してイメージを作らなくてはならない「手間暇かかるもの」になってしまっているので、子どもたちにとって大変困難なことにになっているのです。その困難なことを乗り越えるために、大人の手助けが必要なのです。とお話されました。
入園当初から能登さんから聞いていることなので、このお話は「そのの親」なら納得がいきます。また、お母さんが昔カッパだったとか、月にうさぎがいるというほら話を子どもにしている作家の話では、親も遊び心とユーモアを持って子どもに接し、そんなセンスが子育てに役立つことをお話されました。これは大いに、家庭でも活用できそうなことです。
読み聞かせのナマで触れ合う暖かみ
読み聞かせをすることで、子どもにとってどんな力になるのか、お話していただきました。絵本の中の言葉を日常生活の中で自分の言葉として使っていけるようになる、子どもの感じたことを一緒に共感し、お互いに向かい合って「生」で触れ合っていく暖かみが、人間への信頼を育てていくことになる。では、テレビやビデオとは、どう違うのか。最近は絵本がビデオになっているものもありそれを見せるのとどう違うのか。
「生」の声で読むということは、子どもにとって読んでくれる人がその時間を自分の方に向いていてくれるという、うれしさがある。また、本では何度でもページを返して見たり、立ち止まったりすることができる。そこでまた親子のふれあいが生まれる。これは一方通行のビデオなどではできないことです。
子どもにとって読書はなによりも「たのしみ」なことである。大人は本を通して、そこから何か意味のあるものを受け取って欲しいと子どもに思わせがちだが、それだと教訓的で子どもに対して大きなプレッシャーになってしまう。「ああ、面白かった」で終わる「たのしみ」として出会わせることが大切である。文庫や児童館、図書館など色々な場で、絵本との出会いをし、その子どもに合った絵本を与えていくことです。
では、どんな本を選んだらいいのかというと、十人十色で難しいが、手がかりとしては、ロングセラーの本を読んでみると、なぜその本がいいのかが見えてくる。また、身近な生活や季節で選んだりするのも、手ではないか。ということでした。その文庫には、そういう本がたくさんあるので、そのの親にとってはとても良い環境であることを、幸せに思いました。 学校の図書館や公共の図書館の問題点など、私たちがあまり知らないようなことをお話してくださり、参考になりました。
最後に「童話の世界への手紙」を書いた子どものお母さんの投書は、心あたたまるお話でした。今では高校生になってしまった娘さんたちが小さい頃、童話の主人公や、動物たちにせっせとお手紙を書いて、郵便ポストにいれていたそうです。住所にはその本にでてくるいかにも、本当にありそうな住所を書いて出すのです。が、当然宛名不在で戻されてきてしまい、娘さんたちはがっかりされるのです。もう大人になってしまった娘さんたちは覚えてはいないだろうが、お母さんは今でもどこかに娘さんたちと同じようなことをしている子供たちがいるのでは、いて欲しいと。人生のほんのひととき夢の中で暮らして欲しい。というお話でした。
自分の子どももこんな夢がもてるような、本に出会ってくれるといいなあ、と思いました。
やまもと ゆみ(文庫委員)

・11月16日に広瀬恒子さんをお招きして、「子供はいつでも楽しいことが好き」という題でお話をして頂きました。広瀬さんは、親子読書地域文庫全国連絡の代表、そしてなかよし文庫の主宰など、長年子どもたちと本に関わってきた方です。広瀬さんはこの子どものそのには今回で三回目の来園になります。

初めに、「2000年は子ども読書年」ということが、国で採択された背景についてお話されました。これは今までの日本の歴史の中で初めての画期的なことだったそうです。子どもの本の出版業界の危機的な状況や子どもたちの読書離れ、子どもたちの荒れ、キレなど、様々の理由からその解決策の一つに、こどもと読書を結び付けていくという試みから、この企画が打ち出されたそうです。

子育ての中で絵本の果たす役割

次に絵本を紹介しながら、子どもと絵本についてお話されました。

小子化時代の子育ての難しさの中で、「ぎょうれつぎょうれつ」という絵本に登場するお母さんのように子どもを「待つ」ゆとり、一息いれる「間」の大切さにふれて、子育てのヒントを与えてくださいました。

また、キャベツについてきた青虫をちょうちょうに育てた親子のエピソードを通して、「はらぺこあおむし」の絵本の生きた読み方を話して下さいました。また、絵本を通して、具体的に子どもの育ちに絵本が関わる大切さを紹介されました。例えば、「おおきるなるっていうことは」の本の中から、子ども自身が大きくなるということはどういうことなのか、小さい子にはどうすればよいのかなどを知ることができるし、「そのつもり」ではそのつもりになれる想像力、言葉を幼年期に楽しいお話や読書によって沢山身につけ豊かにしていくことが大切だとお話されました。そして、どの子どもも「やねうら」つまり空想やファンタジーの世界を持っていて、それを大事に育てていくために絵本との出会いがあると話されました。

絵本との出会いを大切に

その本の出会いを作るためには、身近に本があること、しかし、それだけでは駄目で「読んであげる事が大切」であるということです。昆虫の本で有名なファーブルが一冊の本に出会った事例をあげられました。ストーブに薪が沢山入っていても、それに火をつける口火がなければ燃えない。その口火に火をつけることが、本との出会いであり本の魅力を声に乗せる人の存在なのです。

今の子どもたちには楽しいことがたくさんあり、身近で手軽に楽しめるテレビ文化があり、それはエネルギーを使わなくても楽しめる文化になってきています。一方本を読むということは、絵と文を通してイメージを作らなくてはならない「手間暇かかるもの」になってしまっているので、子どもたちにとって大変困難なことにになっているのです。その困難なことを乗り越えるために、大人の手助けが必要なのです。とお話されました。

入園当初から能登さんから聞いていることなので、このお話は「そのの親」なら納得がいきます。また、お母さんが昔カッパだったとか、月にうさぎがいるというほら話を子どもにしている作家の話では、親も遊び心とユーモアを持って子どもに接し、そんなセンスが子育てに役立つことをお話されました。これは大いに、家庭でも活用できそうなことです。

読み聞かせのナマで触れ合う暖かみ

読み聞かせをすることで、子どもにとってどんな力になるのか、お話していただきました。絵本の中の言葉を日常生活の中で自分の言葉として使っていけるようになる、子どもの感じたことを一緒に共感し、お互いに向かい合って「生」で触れ合っていく暖かみが、人間への信頼を育てていくことになる。では、テレビやビデオとは、どう違うのか。最近は絵本がビデオになっているものもありそれを見せるのとどう違うのか。

「生」の声で読むということは、子どもにとって読んでくれる人がその時間を自分の方に向いていてくれるという、うれしさがある。また、本では何度でもページを返して見たり、立ち止まったりすることができる。そこでまた親子のふれあいが生まれる。これは一方通行のビデオなどではできないことです。

子どもにとって読書はなによりも「たのしみ」なことである。大人は本を通して、そこから何か意味のあるものを受け取って欲しいと子どもに思わせがちだが、それだと教訓的で子どもに対して大きなプレッシャーになってしまう。「ああ、面白かった」で終わる「たのしみ」として出会わせることが大切である。文庫や児童館、図書館など色々な場で、絵本との出会いをし、その子どもに合った絵本を与えていくことです。

では、どんな本を選んだらいいのかというと、十人十色で難しいが、手がかりとしては、ロングセラーの本を読んでみると、なぜその本がいいのかが見えてくる。また、身近な生活や季節で選んだりするのも、手ではないか。ということでした。その文庫には、そういう本がたくさんあるので、そのの親にとってはとても良い環境であることを、幸せに思いました。 学校の図書館や公共の図書館の問題点など、私たちがあまり知らないようなことをお話してくださり、参考になりました。

最後に「童話の世界への手紙」を書いた子どものお母さんの投書は、心あたたまるお話でした。今では高校生になってしまった娘さんたちが小さい頃、童話の主人公や、動物たちにせっせとお手紙を書いて、郵便ポストにいれていたそうです。住所にはその本にでてくるいかにも、本当にありそうな住所を書いて出すのです。が、当然宛名不在で戻されてきてしまい、娘さんたちはがっかりされるのです。もう大人になってしまった娘さんたちは覚えてはいないだろうが、お母さんは今でもどこかに娘さんたちと同じようなことをしている子供たちがいるのでは、いて欲しいと。人生のほんのひととき夢の中で暮らして欲しい。というお話でした。

自分の子どももこんな夢がもてるような、本に出会ってくれるといいなあ、と思いました。

やまもと ゆみ(文庫委員)

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