楽しいことから心を一つに

2009 年 7 月 13 日
園長 深 野 和 久
先日、高知で開かれた全国教育研究集会に参加しました。
私のレポートは「遊びの喜びを親子で―第28回親子そのまつりのとりくみから」というものです。ここではその内容を紹介しながら、父母や地域とどうやって手を結ぶのかについて考えてみたいと思います。
①父母同士で行事を作ることの難しさ
最近、行事の中心になる父母の精神的な負担が非常に大きくなったいます。行事をどう進め、いかにそれを伝えるかに悩み、完全なマニュアルにしたり、人間関係に相当気を使っています。また、あまりにも全力投球しすぎて、終わってから「大変だった」という思いが強く残ります。
これらは委員個人の問題ではなく、それを支える周りの人たちにもすべて共通する問題です。仲間と一緒になにかを作り出す体験が少なく、関係も希薄なため、自主的な運営が困難となっているのです。
②親子そのまつりとは
親子そのまつりは、あそびを親から子へ受け継ごうと始まった行事で、今回28回目となります。ここ数年は、「大人も遊んで、あそびの楽しさを知る」ということに重点をおきました。それは子ども時代にあまり遊ばなかった世代が大人になったために、テレビやハイテクでは遊べても、本来のあそび(ごっこや伝承あそび等)になかなか共感できず、子どもが分からないという親が増えているからです。
このまつりは、伝承あそびをクラスが一種目担当して、それをクラスの親同士、または親子で練習し、まつり当日はみんなに教えるというものです。
③実行委員があそびの先頭に
中心になって進めるのは、各クラスから選ばれた実行委員のお母さんです。全体のイメージを考え、担当種目を決め、クラスの練習計画を立てます。この実行委員が準備に追われ「たいへん」という思いにならないように、実行委員会の方法も考えました。会議の最初に、まず遊んでみる、そのことで実行委員自身があそびの魅力を実感できればと思いました。「草花あそび」「あやとり」「ぶんぶんごま」などを楽しんで、「失敗は成功のもと」「奥が深い」と身をもって体験しました。
④伝承あそびに触れて大人も変わる
種目が決まって、まつり当日までは約1ヵ月、この間にクラスごとに練習を重ね、あそびに対する思いが変わってきました。
児童館へコマの修行に行ったり、陽だまりでおしゃべりをしながら泥だんごを作るお母さんたち、また、子どもと一緒に和紙染めやあぶり出しをやってみて、子どもはこんな風にやるんだと子どもから新たな発見もしました。
お父さんが会社へベイゴマを持っていって、昼休みに職場の仲間と練習したとか、子どもが寝静まってから密かに泥だんごを磨いていたお母さんなど、大人が夢中になっているという話も聞きました。
「自分が子どものころに母が教えてくれた姿を思い出し、心の中がポカポカと暖かくなる思いがした。この子が大人になったとき、同じように思いだしてくれたら」という感想もありました。余韻はその後もすっと続いて、現在はベイゴマ勝負にはまっている子ども、家族がたくさんいます。
⑤みんなが夢中になれる楽しい出番を用意して
以上が私のレポートの要旨です。研究者として教研に出席した加藤繁美氏は、「園が行事をお膳立てするだけでは親は変わらない。参加や協同という形で、主体者として関わることが大事なのでは」「保育者は控えめに、しかし積極的な関わりが必要」と話されました。 父母との協同、地域との連携をいかに育てるかという問題を改めて考えました。忙しい毎日で、行事や運動を進める難しさはありますが、みんなが夢中になれるような楽しい出番を用意しながら、保育や子育てを日常的に話し合えれば、新しい力はきっと生まれるし、みんながそれを求めていると思います。
(全幼協ニュース2001年度3号より)
先日、高知で開かれた全国教育研究集会に参加しました。
私のレポートは「遊びの喜びを親子で―第28回親子そのまつりのとりくみから」というものです。ここではその内容を紹介しながら、父母や地域とどうやって手を結ぶのかについて考えてみたいと思います。
園長 深野 和久
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bunbun3.JPG.jpg①父母同士で行事を作ることの難しさ

最近、行事の中心になる父母の精神的な負担が非常に大きくなったいます。行事をどう進め、いかにそれを伝えるかに悩み、完全なマニュアルにしたり、人間関係に相当気を使っています。また、あまりにも全力投球しすぎて、終わってから「大変だった」という思いが強く残ります。

これらは委員個人の問題ではなく、それを支える周りの人たちにもすべて共通する問題です。仲間と一緒になにかを作り出す体験が少なく、関係も希薄なため、自主的な運営が困難となっているのです。

②親子そのまつりとは

親子そのまつりは、あそびを親から子へ受け継ごうと始まった行事で、今回28回目となります。ここ数年は、「大人も遊んで、あそびの楽しさを知る」ということに重点をおきました。それは子ども時代にあまり遊ばなかった世代が大人になったために、テレビやハイテクでは遊べても、本来のあそび(ごっこや伝承あそび等)になかなか共感できず、子どもが分からないという親が増えているからです。

このまつりは、伝承あそびをクラスが一種目担当して、それをクラスの親同士、または親子で練習し、まつり当日はみんなに教えるというものです。

③実行委員があそびの先頭に

中心になって進めるのは、各クラスから選ばれた実行委員のお母さんです。全体のイメージを考え、担当種目を決め、クラスの練習計画を立てます。この実行委員が準備に追われ「たいへん」という思いにならないように、実行委員会の方法も考えました。会議の最初に、まず遊んでみる、そのことで実行委員自身があそびの魅力を実感できればと思いました。「草花あそび」「あやとり」「ぶんぶんごま」などを楽しんで、「失敗は成功のもと」「奥が深い」と身をもって体験しました。

begoma.jpg④伝承あそびに触れて大人も変わる

種目が決まって、まつり当日までは約1ヵ月、この間にクラスごとに練習を重ね、あそびに対する思いが変わってきました。
児童館へコマの修行に行ったり、陽だまりでおしゃべりをしながら泥だんごを作るお母さんたち、また、子どもと一緒に和紙染めやあぶり出しをやってみて、子どもはこんな風にやるんだと子どもから新たな発見もしました。
お父さんが会社へベイゴマを持っていって、昼休みに職場の仲間と練習したとか、子どもが寝静まってから密かに泥だんごを磨いていたお母さんなど、大人が夢中になっているという話も聞きました。

「自分が子どものころに母が教えてくれた姿を思い出し、心の中がポカポカと暖かくなる思いがした。この子が大人になったとき、同じように思いだしてくれたら」という感想もありました。余韻はその後もすっと続いて、現在はベイゴマ勝負にはまっている子ども、家族がたくさんいます。

⑤みんなが夢中になれる楽しい出番を用意して

以上が私のレポートの要旨です。研究者として教研に出席した加藤繁美氏は、「園が行事をお膳立てするだけでは親は変わらない。参加や協同という形で、主体者として関わることが大事なのでは」「保育者は控えめに、しかし積極的な関わりが必要」と話されました。 父母との協同、地域との連携をいかに育てるかという問題を改めて考えました。忙しい毎日で、行事や運動を進める難しさはありますが、みんなが夢中になれるような楽しい出番を用意しながら、保育や子育てを日常的に話し合えれば、新しい力はきっと生まれるし、みんながそれを求めていると思います。
(全幼協ニュース2001年度3号より)
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