生い立ち

2009 年 7 月 28 日

”子どものその”歩み

1964年 9月
人口急増による幼児施設の深刻な不足を背景に、両親の共同出資で <子どものその保育生活協同組合> が設立される。

1965年 4月
六角形の保育室をハチの巣のように連ねた園舎が完成する。

1970年 9月
3年がかりで3歳児から5歳児までの保育計画を自主編成。幼児の生活をコマ切れにする幼稚園教育要領の世界を否定し、集団づくりを幹とした「あそびの保育」を探求する。

1992年 5月
再び両親の共同出資で新園舎を建設する。

2000年 3月
素人のお父さんたちがホームページを制作し、21世紀に向けて急速に進む情報化社会に対して、<その>のメッセージを発信する。

県道上福岡・大宮線から見る園舎
園舎施設の概要
所在地 埼玉県上福岡市大字中福岡78
敷 地 3,960㎡ (約1,200坪)
建 物 保育室14室、遊戯室、文庫、職員室、調理室、事務室
1,140㎡ (約345坪)

設立趣意書

7-7お母さんたち! お父さんたち!
児童憲章はすべての子どもが等しくよい環境の中で育てられなければならないと、うたっています。私たちはこの精神が生かされ、子どもたちが好ましい環境の中で健康に、聡明に育ち、自主性と共同性、自由な感性とつよい忍耐力をもって育つよう、心から望んでいます。そして、そのことを集団生活の中で達成していくことのできる充実した幼児施設を望んでいます。私たちはさらに、そうした幼児施設の中で子どもを育てることによって、私たち自身が育児に忙殺されることなく、ひとりの人間として充実した生活を営みたいと望んでいます。ひとりの人間として立派に生きることこそ、家庭教育をおこなう親の側になくてはならぬ姿勢の基本であると信じるからです。

私たちのこうした念願にもかかわらず、子どもたちは交通地獄や受験地獄にさらされています。特にこの周辺地域では施設が幼児人口の急増にともなわないため「幼稚園浪人」の心配さえ現実となりました。また、かりに入園できたとしても、小さな施設に希望者が殺到する結果、まるで一時荷物預かり所のように、狭い部屋にたくさんの子どもたちが詰めこまれています。こうして「子どもたちの個性に立脚した保育」という理想は失われ、「幼稚園はもうかる」という、いまわしい常識がひろがってきました。単なる託児施設におちいったり、小学校の予備校に堕して、年齢にふさわしくない知識の詰めこみ主義におちいっている施設も決して少なくありません。このような弊害をとりのぞき、子どもたちを子どもらしく、すくすくと育てるためには営利に走らない施設をたくさんつくる以外に解決の道はありません。そしてそれは当然、国や地方公共団体(市町村)の施策として行われなければならないものと信じます。しかし、残念なことに、いま、こうした施策はなにひとつ満足にすすめられておりません。しかし、残念なことに私たちの子どもは日々に育ち、来年の四月、再来年の四月を手をこまぬいて見送ることはできません。私たちはこの現実に心をいため、やむをえない自衛の手段として、私たち自身の力でひとつの施設をつくりたいと決意しました。その方法は、共同出資によって生活協同組合をつくり、組合員の利用施設として理想的な幼児施設を建設しようとするものです。
この幼児施設を運営するにあたって、私たちの信条とするところは次のとおりです。

  1. 知識の詰めこみ、小学校の予備校的な教育をしりぞけ、共同生活の規律、協同の精神、自主性、豊かな感性をはぐくむための生活指導に重点をおく。
  2. 充実した施設と完全給食、午睡をふくむ長時間保育によって、健康な心身の発育をはかる。
  3. 職員と父母の交流、協力によって、施設と家庭の一貫した教育につとめる。
  4. 職員の研修と討議を活発にして、たえず保育内容の向上につとめる。
  5. 定款の定めるところによって、出資者の総意を反映する民主的な運営を行い、父母の積極的な参画を得て、さまざまな予想される社会的困難をのりこえ、子どもたちと施設を守っていく。

お母さんたち! お父さんたち!
あなたのお子さんの幸せのためだけでなく、すべての子どもたちをよりよい環境の中で育てるために、そしてこんにちの急迫した事態を一歩解決するために、進んでこの組合に加入し、建設運動に助力して下さるよう、こころからお訴えいたします。

昭和三十九年(一九六四年)七月一日

子どものその保育生活協同組合設立発起人会(発起人三十四名連署)

 

 

保育生活協同組合とは?

pm-7私たちが食料品や日用品を買い求めるときに、街角の消費生活協同組合(COOP=生協)の店舗を利用したり、近所の人たちと共同購入しようとしたら、まず生協に加入して組合員にならなければなりません。家の近くにもスーパーマーケットや専門店がたくさんあるのに、私たちは、なぜ出資金を払ってまで生協を利用するのでしょうか。
毎日食べるものだから、安全な食品を食べたい。毎日使用するものだから、安心して使えるものを手に入れたい。もし満足できない商品があれば、自分たちの手で改善していきたい。改善のための意見を聞き入れてほしい。私たちは、そう願って、生協を利用しています。
では、子どもの保育はどうでしょうか。納得いく保育をしてくれる施設を、自分たちの手でつくり上げたいという願いによって、1964年に設立された「保育のため」の生活協同組合、それが<子どものその保育生活協同組合>です。生協立による保育施設は、全国でもたいへん珍しいといえるでしょう。
<子どものその>は、毎年5月に総会を開催します。総会では、前年度の事業報告と当年度の事業計画を「総会議案書」にまとめて組合員にお知らせし、議論し、承認をうけます。
<子どものその>は、組合員の中から互選され、2年毎に改選される理事(20名)・監事(3名)によって、健全な経営が維持されています。財務内容や保育方針が広く一般組合員に公開され、組合員の手で運営されている保育施設。それが<子どものその>です。

   <その>の原点基礎式

今から30余年前(1964年)の7月1日、発起人34名の連名で<子どものその>の設立の呼びかけが行われました。
そこに書かれた中身は、私たちのこんにちの課題にそのまま通じています。
ホームページ開設にあたり、原点にたちかえって、子どもたちの幸せをひたすら探求する<子どものその>の発展を図るために、「設立趣意書」を復刻しました。

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