金勝山263メートルの山登り

2012 年 11 月 26 日

 23日(水)いよいよ山登りの日がやってきました。心配された天気も見事に晴れてくれました。
時間になったらバスに乗り込み出発です。バスの中では、歌を歌ったり、クイズをしたりして楽しく過ごしました。(金室先生が、『くま組さんの作戦は?』と聞いたら、『みんながみんなをまもる!』という答えが一番に返ってきたのです。なんだか嬉しかったですね。)最初は町や田んぼの景色だったのが、どんどん山の中へ。みんな元気がなくなってきたので、『山登りの歌』の繰り返しバージョンを元気よく歌っていると、いつのまにかバスは、東武竹沢の駅に到着しました。
駅前に小さな神社があったので、みんなで『沼のぬしにやられませんように・・』とお願いをしてから歩き始めました。この辺りでは、余裕の子ども達。『木苺ないかな?』『普通の散歩みたいだね』なんて言っていたのですが、〝東登山道入口〟を曲がり、いよいよ沼の手前に到着したので、『この先がぬまのぬしだよ』と話すと、みんな『えー』『怖いよ~』と一気に怖がります。(何人かの子は抱きついてきましたし、泣きそうな顔になる子もいました。)『みんな大丈夫だよ。作戦通り行こう!』と言って歩き方の確認をしました。
そろりそろり近づくと、沼は静まり返っていましたが、それが逆に怖さをましています。沼の色は、この世のものとは思えないほど不気味な色で、回りにも、あきらかに今までとは違う不気味な老木が生い茂っていました。『怖い子が前にきて』と小さい声で話すと、みんが一気に前にやってきます。
勇気を出して作戦通りに、沼の端を声を出さずに、腰を下ろしてゆっくり進みます。端を歩きすぎて、草薮の中を突き進む子もいました。ぶつかり合っても文句も言わず、黙って進んでいました。みんな、ちゃんと作戦を守っていたのです。 突然、「ジャボーン!」と沼から大きな音が聞こえたのです。
『沼のぬしだ。にげろッ!』叫び声(悲鳴)とともにいっせいに走り出します。止まらず作戦通りひたすら走り続ける子ども達。全員とにかく必死な表情で、『沼のぬしがでた~』『食べられちゃう~』と顔全体で表現しているようでした。泣き出しそうな子もいました。走るスピードは、もしかしてオリンピック選手よりも速かったかもしれません。最後のほうを走っていたみやまりんちゃんとりく君は、私に救いの手を差し出してきたので一緒に逃げました。
沼から50mぐらい離れたところに、きりん組が『こっちだよ』と待っていてくれました。『ここまでくれば大丈夫』。つばきちゃん、さよちゃん、しおりちゃん、みやまりんちゃんは大泣きです。放心状態や涙目の子も…。他の子も『怖かったよ~』『ジャパーンと音がした!』『沼のぬし見えた! 赤と黒だった!(ゆうろ君)』『尻尾が見えた!(まひろ君)』『緑だったよ!』『ツメがオレンジだった』『見えなかったけど、ボシャーンと音がした!』『キーという音も聞こえた!』『怖くて見えなかったけど、音はした』『音もぬまのぬしも見えなかった!』『とにかく怖かったよ~』など、興奮しながら話しています。なかには、『全然怖くなかった!』『俺、平気だった!』と言っている子もいましたよ。
中央公園で、ママと離れた時に泣くほど怖がっていたちひろちゃんは、何故かピーマンをかじっていました。みやまりんちゃんが泣きながら、『靴が脱げちゃったよ~』と話すとで足元を見ると、確かに靴がありませんでした。りんちゃんは、クラスで考えた作戦通り、靴が脱げてもそのまま走り続けたのです。みんな『りんちゃんすごいね。作戦通りだ!』と誉めていましたよ。
歩きなら、『地図どおり丸太の階段だ!』『こっちはけもの道かな?』『ヘビの穴はあった?』など話す子もいれば、『もう沼のぬし来ないよね~』『今頃悔しがっているのかな』『本当に怖かったね~』なんて話しながら、急な丸太の階段道や木の根を跨いで山坂を登っていきました。しかし、半分をすぎたあたりから、『まだ~』『いつつくの?』『のどが渇いた~』『暑いよ~』という声が聞こえてきます。それでも頑張って歩き、なんとか頂上到着です。
みんなで景色を見ると、『家がおもちゃみたいだ!』『おもちゃよりも小さいよ』『本物なの?』『車もおもちゃみたい』と驚いていました。全員で『やっほー!』『おかあさーん!』『おとうさーん!』大きな声で叫びました。聞こえましたか? みんなの『俺達(私たち)はやったんだ!』と自信にあふれた誇らしげな顔をしていました。
頂上から下りる道すがら『お腹がすいた』『早く食べたい』『お弁当まだ~?』と言う声が壊れたテープのように聞こえてきました。可愛いヤギを見たりしながら下りはすいすい歩きます。
あっと言う間にお弁当広場に到着。『いただきまーす!』みんな本当に美味しそうに食べていました。みんなのお弁当を見させてもらいましたが、愛情100%といったお弁当ばかりでしたね。驚いたのはゆうや君、なんとまるでおばけのような大きなブロッコリをリュックから出してきたのです。ゆうや君は『怖くなかった!』といっていたのですが、お化けブロッコリのお陰かもしれません。(それにしても、大きくて重たいブロッコリを背負って歩くのは大変だったでしょう)。
食べ終わったら、今度は菖蒲池に行きました。沢蟹やザリガニがいたのですが、小さい沢蟹を10人ぐらいの子が捕まえていました。ゆうだい君6匹も捕まえていました!
楽しかった山登りもいよいよ終わりです。帰りのバスは、カーテンを閉めておやすみなさい・・のはずが、10人ぐらいの子は寝ないで、こそこそお喋りをしていました。(本当にタフですね~)
山登りを終えて…
大きい組になって初めて迎えた大きな行事、山登りが無事終了しました。今回の山登りには、その40年以上の歴史の中でずっと伝えられていき『沼のぬし』がありました。『大きい組になったら、沼のぬし…』と思い続けていた大きな行事だったのです。なんとなく感じていた沼のぬしが、下見にいった先生がやられてしまった事で、一気に現実なものになり、『どうすれば、やられないか?』を真剣に考え作戦会議を開きました。そして、嫌いな野菜を食べたり、外で田んぼを沼に見立てて逃げる練習、砂利道で音が出ないように歩く練習、沼のぬしごっこなど・・たくさんの努力や話し合いをして当日をむかえたのです。
子ども達は怖い思いをしながらも『みんなで作戦を考えたから大丈夫!』『練習したから大丈夫!』『怖いけど頑張る!』『みんながみんなをまもる!』と思い、みんなで力を合わせて、無事『沼のぬし』を乗り越えることができました。これは、一人ひとりはもちろん、クラス全体として大きな自信と仲間意識がより深まったと思います。
頑張った子どもたちの話をじっくり聞いてあげてください。(くま組クラス新聞より 2012年5月24日)




t-1 5月、年長組は金勝山への山登りにとりくみます。おそろしい沼の主の沼を乗り越え、標高263メートルの山頂を征服して、大きい組の誇り、自信、自覚を獲得します。それが年長組の出発点となるのです。(写真・山頂からはるかな人里を見下ろす)
 2010年の山登りは、前日の荒れた雨がウソのように晴れあがった夏日となりました。急坂を登るときは蒸し暑さを感じましたが、山頂では風がさわやかで、とても素敵な山登りでした。

s-01

  いざ、金勝山へ出発だ!
 山登りで楽しみなこと、怖いことを聞いてみました。
 ■楽しみなこと ・木いちご、野いちご、 ・おべんとう ・
赤鬼の池で何か捕まえる ・山のてっぺんへ行くこと ・ヤ
ッホーって言うこと ・車や家がおもちゃみたいに見えるこ
と ・観光バス ・沼の主の顔を見る 

 ■怖いこと ・沼の主 ・沼に影が映ったらどうしよう ・
食べられたらどうしよう

 前日までの雨はすっかりやみ、いい天気になりました。
泣きながら集合したさくらちゃんも、みんなと一緒にいると
いつものニコニコ顔に戻りました。「お守りもって来たよ」
と素敵なお守りを見せてくれました。
 観光バス2号に乗って、笑顔で出発できました。観光
s-02バスの中は、そののバスよりずっと広くて高くて大興奮。
「やまのぼり」や「世界中の子どもたち」のうたを歌ったり
なぞなぞ、クイズなどをして、あっという間に東武竹沢の
駅に到着しました。 でも、周りに山や森が見え、自然が
豊かになっていくと、「おなか痛い…」「気持ち悪い…」な
んて子もいました。
 バスを降りて、しばらく線路沿いを歩いて行きます。小さ
なホコラで山の神様に「沼の主に食べられませんように」
と手を合わせ、全員でお祈りしました。
 東登山道から山道に入っていくと、一気に涼しくなりまし
た。「すずしい」「気持ちいい」。まず道端でおしっこ。その
とき地図を広げてみました。「今ここだから…」「えーっ、も
う沼のところじゃん」「なんか不気味」。
 「ちょっと様子を見てくる」と、りゅうたろう君。らいおん→
s-03くま→きりん→ぞうの順番で歩きます。くま組も出発。
 もうそのころには、あかりちゃん、たいせい君、かりんち
ゃん、あやかちゃん、すみれちゃんは泣き始め、「帰る!」
「だっこしてー」と大騒ぎ。「大丈夫だよ。ちゃんと守ってあ
げるからね。ほら、ピーマンのお守りだってあるし…」
 いよいよきりん組の番です。「今日は天気がいい。晴れ
た日は影が映りやすいから気をつけよう」と作戦を確認、
「守ってくれる人、よろしくね」「やっぱり守れない。ようこ
守って!」。
 影が映らないように端っこを歩くことになっていたので、
ずらーっと一列、まるでアリの行列です。最後尾のお助け
マン斉藤さんがずいぶん遠いので、「あんまり遠くては助
けてあげられないから近くにおいで」と言ったのですが、ア
s-04の行列は変わらず…そのまま沼に突入です。
 まるで忍者、音もたてず、声も出さず、泣いている暇はあ
りません…。 突然、バシャーンと水の音。
出たぁー、逃げろ! 
(きりん組クラス新聞より 
  2010年5月26日)

   ぬまを越えて山頂へ
 「さあ、ここから沼だよ。みんな影を映さない作戦で行く
よ」。しっかり作戦を守って、ありんこ状態で長い列で這う
ように歩いていくと、
 どっぼーん!
 何かがはねる音が。「沼の主だ!」。
 みんな走って。一斉にダッシュ。走る、走る。すごい速さ
で、3クラスの待つ場所へ走りこみました。みんな必死に
逃げて、なんとか無事に沼を通り抜けられました。
s-05 もう号泣のれい君、れいほちゃん、ゆうかちゃん。いつも
散歩のときは一番最後のゆきや君はがんばって走って、
ハアハア息を切らしていました。
 かいじ君、うきょう君は「泣かなかったよ。でも、もう来な
い?」と心配そう。みれいちゃん、ひかりちゃんは、涙を浮
かべて「こわかった!」。けいと君は「オレ、しゅんそく(靴)
で来てよかった」と言えば、ほかの子も「ドボンって言った
よ」だの、「ちょっとバシャって見えた」と興奮気味。
 ここまで来ればもう大丈夫だよ。後は楽しい山登り。頂上
目指して上っていく途中で、「あれ?そういえば園長先生
がいない」と心配していると、けもの道から園長が出てきた
のです。「道を間違えちゃったよ。よかった。みんなに会え
て」「もう園長、驚かせないでよ」と子どもたち。
 ここから丸太の階段や急な坂、根っこがたくさん出てい
s-06る道を一歩一歩踏みしめて登っていきます。「疲れたァ」
「おなかすいたァ」と弱音を吐きながらも、よくがんばって
歩きました。途中、へびの穴を探したり、幻の木いちごや
野イチゴを少しずつ分けて食べて、頂上の手前に着きま
した。
 もうこのころは汗がダラダラ、Tシャツはびしょびしょ
になっていたので、一休みして水分補給。何を思ったか、
かいじ君、突然ビニールシートを出してお弁当の支度。
「かいちゃん」とにらまれて、「あっ」とわれに返りました。
 ごつごつした岩場を登ると、263.8メートルの金勝山の
頂上でした。「やったァ!」。頂上から下の景色が広がり、
家も道路も全部がミニチュアの玩具のように小さいのです。
「見てごらん。あの下からここまで上ってきたんだよ」。
s-07 すごい、といった表情でもう一度見下ろし、「ほんと、すご
ー」と、こうすけ君。「車も小さいよ」と、みひろちゃん。「あ、
電車もはしってる」と、ゆいちゃん。
 そして、「ヤッホー ママァ!」と叫びました。年中組の
担任も「よしこ~」と呼びました。今年こられなかった能登
おじさんも「のとさ~ん」と叫び、「届いたかな?」と、こう
君。すると、なぜか「しま~」と叫び、「ハーイ!」と隣で返
事をする担任に大笑い。
 山頂の「金勝山」の標識の前で、パチリ、記念写真を撮
りました。
 (ぞう組クラス新聞より 2010年5月26日)

    お弁当、そして赤鬼の池
 「ヤッホー!」子どもたちの声、聞こえましたか。
s-08 その後、緑リボンと赤リボンに分かれて、はいチーズ!
と記念撮影。みんなよくがんばって登りました。
 急な階段、坂道を下り、子どもたちが一番楽しみにして
いたお弁当までもうすぐ! 涼しい木陰でお弁当をひろげ
ました。「おなか減ったー」「早く食べたーい」…準備して
「ご一緒にいただきます」。大好きな友だちと、自然の中
で食べるお弁当は本当に本当においしい! 
 沼の主と山登りの疲れを、愛情たっぷりのお弁当が癒し
てくれたようです。おやつもむしゃむしゃ食べました。
 それから、みんなが楽しみにしていた赤鬼の池へゴー。
 前の日の雨で濁って、赤くはありませんでしたが、ザリ
ガニがたくさんいたようです。棒を持ってエサはないけど、
ザリガニを捕まえようとがんばっていました。近くの小川
ではサワガニ探し。何人かの子は見つけてお土産に。
 一日はあっという間。バスに向かう道すがら、なにやら赤い実がありました。水分たっぷりの甘いグミの実を食べたりしながらバスに乗り込みました。帰りのバスは静かに寝て帰ってきました。 (らいおん組クラス新聞より 2010年5月26日)
sakebu   山登りを終えて…
 おおきい組になって初めて迎えた大きな行事、山登りが無事終了しました。天気の暑さが心配されましたが、山の中は影で、風も心地よく、そんなに辛くはなかったです。また、前日の雨の影響も、ほとんどありませんでした。
 今回の山登りは、その30年以上の歴史の中で、ずっと伝えられていたの「沼のぬし」がありました。「大きい組になったら、沼のぬし…」と思い続けていた大きな行事だったのです。
 なんとなく感じていた沼のぬしが、下見にいった先生がやられてしまった事で、いっきに現実なものになり、『どうすれば、やられないか?』を真剣に考えました。そして、嫌いな野菜を食べたり、外で田んぼを沼に見立てて逃げる練習、沼のぬしごっこなどしてきました。そんなたくさんの努力や話し合いをして当日をむかえたのです。
 子どもたちは怖い思いをしながらも、「友だちがいるから大丈夫!」と思い、みんなで力を合わせて、無事「沼のぬし」を乗り越えることができました。これは、個人個人はもちろん、クラスとしても、大きな自信と仲間意識が深まったと思います。
 なお、全員の方に、朝の集合に協力していただきました。本当にありがとうございました。行く最中から「お腹減った」という子がいなく、元気に登れたのは直接集合したからだと思っています。
 (くま組クラス新聞 2010年5月26日)







 






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